一方は軍務と戦場に耐えた者だけで構成された軍隊で、もう一方は下はともかく上は碌な軍歴無くとも個人で軍艦を持てる立場の門閥貴族。戦を知らない奴らが戦を知っている奴らに勝てると考えるのはお花畑の門閥貴族だけです。
まあ話はそれで終わるのですが、たまにどうやったら勝てるのかという話題があります。でも、どんなに有効な戦略も自分たちの都合と妄想でぶっ壊すのが門閥貴族なので、すぐに詰みます。軍事専門家として無理やり迎えたメルカッツ提督の命令や提案を無視しているのですから。ラインハルトもメルカッツが手腕を振るえる環境では無いと判断して、総兵力で劣るはずの討伐軍を更に二分しても余裕でした。
主力は敵の正面から侵攻して別動隊が周辺の敵対勢力を一掃する。楚漢の戦いで劉邦が項羽と対峙している間に韓信が他を平定していった故事と似ております。
反対に門閥貴族側はメルカッツは有利な拠点まで誘き寄せての決戦を提案しますが、勝手な連中のおかげで勝利の可能性も霧散します。ガイエスブルク要塞前面での戦いも、ガイエスハーケンを有効に使うこともなく誘き出されて叩きのめされて終了です。
敵が馬鹿すぎるとありますが、その馬鹿が特権で大量発生して帝国が腐敗したというのが前提なので、愚かな描写は合っていると思います。後にミッターマイヤーが同盟領侵攻作戦でヤン艦隊にしてやられ続けた自分達を罵る時に「貴族のバカ息子共を笑えん」と言ったのは最大限の自戒だったのでしょう。
歴史にifは無いように、銀英伝もifは二次創作の中だけですので、ここであーだこーだは言えません。一つあるとすれば「戦争ぐらい真面目にやろう」でしょうか。まあ滅んで当然の連中だったということで。