イゼルローン要塞攻略について(解決編)

 難攻不落の要塞をフライングボールのように敵味方の間を簡単に移動させた男を抜きにすると、イゼルローン要塞は基本難攻不落です。作中、力技では同盟が六回失敗、帝国が一回失敗、成功は同盟が悪知恵で二回、帝国が退去後の奪還二回(一回はイゼルローン共和国からの引き渡し)です。

 

 では最もイゼルローン要塞にダメージを与えた第八次の要塞対要塞は、どうすれば陥落したのか。ぶつけてドカンは既に出ているので、他を考えるとなるとそれまでの攻略方法を参考にするしかないです。

 まず守備側艦隊に肉薄しての並行前進は敵が自分の味方もろとも撃つ危険性がありますが、味方の要塞で牽制させれば活路があります。

 実際、ガイエスブルク要塞からの砲撃を陽動として揚陸艦を送り込んだり、死角から回り込んだ艦隊を肉薄させる手も、結果としては失敗しましたが有効でした。なので基本は要塞が囮、艦隊が主として動くしかないとの考えです。

 後はヤンが指摘したように要塞を占領するのではなく、破壊を目的とするなら第六次のミサイル攻撃をより大規模に行う方法もあります。要員を最小限にして要塞砲を打ち続ける方法もあります。先に破壊されるのはガイエスブルクでしょうが、イゼルローン要塞が機能不全に陥るまで要塞砲を打ち込めれば、その後の艦隊による攻略も容易になります。

  つまりロイエンタール艦隊とミッターマイヤー艦隊が到着すれば、ヤンが帰還しても落とせる可能性があったという事です。実際は先に要塞と艦隊の九割が消滅しての撤退でしたが。

 

 なお艦隊のみでの攻略は、第五次や第六次のように策が無いと厳しく、用いても失敗時の損害が大きいです。また艦隊を要塞内に収容・修理できる守備側と損害をうければ撤退するしかない攻撃側では差があります。

でも第九次の攻防でロイエンタールは三万越えの艦隊でイゼルローン要塞に対して攻勢を保ち続けました。これは守備側のヤンが艦隊の温存を目論んだからでもありますし、ロイエンタールがヤンは離脱を考えていると読んだ上で、主導権を握り続けた結果です。

 

 それでも力押しではおちませんでしたが。

 

 結局、謀略で要塞司令官を不在にさせたり、フェザーン回廊を通過して戦略価値を減らす方法を使わないと無理との結論ですね。

そう考えるとラインハルトとヤンは異常だったとの結論しか出ませんが。