セリフで語る銀英伝-同盟相方編-

英伝の特徴である洒落た、或いはそれ以上の会話は互いの関係性を表すとともに、読者を楽しませる要素が多分にあります。特に自由の国の同盟では、個人的な会話であれば年齢、階級、立場に関係なくなされます。

 

「こいつは同盟No.2のパイロットだ」

「同盟No.1のパイロットは墓の下だよ」

相手を2番手と紹介しながら自分がNo.1だと暗に語る相手に、No.1は戦死したので自分が実質のNo.1で先に語った相手はそれ以下と返す。

友情?溢れる戦友の会話です。

 

「ブランデー、もう一杯いくか」

「いただきましょう」

被保護者のために身辺に配慮するようにできの悪い保護者を諭した先輩に、後輩がそのできの悪い保護者に被保護者を紹介したのは誰?と問うた後のやりとり。

口は悪くとも信頼しあっている先輩後輩です。

 

「娘が父親の罪をせおうこともなかろうしね」

「まったくだ~おれの娘だということで甘えることのないようにしてもらいたいな」

同盟軍を代表する不道徳の二大巨頭が、片方の隠し子(父親曰く知らないので隠していない)の件で、もう片方が止めを刺しに向かい、相手は受け止めるどころか余裕をもって反撃する。

思春期の娘の悩みをネタにやりあう不良達です。

 

「・・・人類の文明は酒とともに始まった。・・・酒は知性と感性の源泉であり・・・」

「今どき安酒場の宣伝文句でも、もう少し気の利いたことを書くんじゃないでしょうか」

暇になった要塞司令官がクリエィティブな活動を志して書き始めた論文めいたものの冒頭を、被保護者が酷評して。以降は「よく言って給料泥棒」の地位に甘んじる。

崇拝する一方で評価はきちんと下せる良い子と、才能が集中した保護者との温かい会話です。

 

育まれた関係が生み出した友情(一部?)溢れる会話もまた、銀英伝の味の一つです。