ローエングラム王朝の帝国の提督達は酸味の帯びた記憶と共に同盟の魔術師を称賛します。
ミッターマイヤーは、ヤンとの直接対決であるアムリッツア会戦では自身の得意とする速攻を第13艦隊から受けて後退しました。ヤンの第8次イゼルローン攻防戦で敗残となったミュラーを追うグエン・バン・ヒューらの艦隊を壊滅させた時は、あまりの脆さに同じヤン艦隊かと苦々しい気持ちになったぐらいです。
ロイエンタールは常に皇帝の意識から離れないヤンの存在に、自身が嫉妬していると感じるほどです。また彼は第9次イゼルローン攻防戦で要塞の占領を成功させましたが、後の第10次イゼルローンでヤンが残した仕掛けによりあっさり再奪還されたと知った時の心境は、単純なものではなかったです。
ワーレン、ルッツ、シュタインメッツらも一敗地にまみれ、それまでの武勲が無に変えすほどの敗北感を与えられており、ヤンを語る時に苦味を感じるほどです。
二度の敗北でその記憶を上手く昇華できなかったレンネンカンプは本来の資質に合わない謀略を用いて返り討ちにあい横死することとなりました。そそのかしたのオーベルシュタインはレンネンカンプすら生贄にするつもりだったので、彼がヤンに対して少しでも敬意を持つことができれば迂闊な誘いにのらずにいたのでしょうが。
反対に敵意から尊敬まで昇華したのがミュラーで、第8次イゼルローン攻防戦での敗北で、ヤンの強さを認め復讐戦を誓いバーミリオンで奮闘した彼だからこそヤンに対して敬意を持つことができました。
正反対の二人とは別に評価しえたのがメックリンガーです。元々ラインハルトを客観視して評価したいた彼は、ヤンに戦略的思考を逆手にとられて戦術レベルで敗北したことで、ヤンの凄さを正確に把握することができました。だからこそ後のイゼルローン要塞無血通過時も芸術的センスを交えての敬意を持った電文を送れたのだと思います。
なおヤンに二度敗北しても戦場に立ち、ヤン艦隊と戦い続けた奇跡の人ビュッテンフェルトは、全く戦闘意欲を衰えさせず次こそは倒すの精神で突撃を続けました。彼のヤンに対する評価は作中に書かれませんでしたが、生涯かけて倒すべき相手と定めていたのかもしれません。作中最大の攻撃力を誇る彼と彼の艦隊の目標としたのであればそれは最高の評価だと思います。