帝国暦400年代・宇宙暦700年代の後半は、1個艦隊1万隻以上の艦艇の機動力を活用して柔軟な運用で勝利することが主流でした。しかし以前には大艦巨砲の時代があったそうです。
地球の時代の話であれば第一次世界大戦前後がそれにあたります。超弩級戦艦が登場した時代です。では宇宙時代となると残念ながら情報はありません。ロイエンタールが語った「かつてはあったが今ではない」を参考にするともっと昔、100年以上前でタゴン星域会戦よりは以後でしょうか。
人類には巨大なものを作る能力はありました。人工物ならイゼルローン要塞がその代表です。巨砲もありました。代表がイゼルローン要塞の雷神の雷(トールハンマー)です。
ならば巨艦も製造可能でしょう。ラインハルトやヤンの活躍した時代の戦艦クラスは全長1kmを超えますが、当然これより大きいと考えます。
1kmクラスを巨艦と言わないのなら2kmか3kmか。5kmもありえます。砲門も直径10mか20mか。宇宙戦艦ヤマトの波動砲よりも大きな口径の主砲が搭載された艦から吐き出されるエネルギーで、他を圧倒する光景は見ても見たい気がします。
全長3.5kmのヴァルハラ級戦艦とか、駆逐艦クラスなら複数搭載できるネプトゥーヌス級ドック型大型母艦、全長10kmの機動要塞を旗艦とした帝国艦隊も壮観でしょう。
ただこれらの艦は機動力では巡航艦以下のサイズの艦には遅れをとり、もしかすると雲霞のごとく群がる小型艦艇の攻撃に耐えきれず、轟沈する光景があったのかもしれません。
小型艦艇の集団戦術に対抗するために、巨艦の周囲に小型艦艇を配置するようになったのかもしれません。本末転倒ですが。動きの鈍い中央の巨艦を守るため、護衛艦隊は思うように戦術機動ができず、集中砲火を浴び続けて轟沈していったのかもしれません。
ならば護衛艦隊を自由に動かして敵の弱点を突けばよいのでは。
これが帝国軍の軍事ドクトリンを見直す機会になったと考えます。まずは巡航艦以下の艦艇の機動力が評価され、敵艦隊の包囲または突破戦術が重要となる。戦艦も機動力を確保するために小型化され、今の1㎞級が標準となる。
包囲と突破、二つの基本を実行するために巡航艦が主力となり、機動戦を繰り広げるなかで戦術が洗練されていったのがラインハルトとヤンの時代なのでしょうか。
ブリュンヒルトすら小型に分類される大艦巨砲の時代。時代の徒花となった巨艦達の活躍と没落は、知ることが叶わぬゆえに想像力がかき立てられます。