国力で見る帝国と同盟(あとフェザーン)

敵対する銀河帝国と自由惑星同盟の国力を比較すると下記となります。 人口 帝国 250億 対 同盟 130億 (フェザーン 20億) 国力 帝国 48 同盟 40 (フェザーン 12) 合計を100として換算 国家予算 帝国 不明 対 同盟3兆7,000億ディナール 帝国は人民を搾取す…

セリフで語る銀英伝-使ってみたい編-

名台詞もあれば迷台詞もあるのが銀河英雄伝説ですが、日々の生活に使えるかは別にして、言ってみたいものもあれば機会があれば使いたいものもあります。 策士で陰謀家のルビンスキー。どんなに痛い所を突かれても余裕をもって答えるのが大物感を醸し出します…

ヤン・ウェンリーの評価(帝国編)

ヤン・ウェンリーという人物は、大きな業績と比較して個人レベルではそれに合わない外見(容姿、言動、雰囲気)であり、更には内面は二律背反(戦争嫌いで戦争を評価しない、に関わらず戦争が得意で最大の成果を上げている等)を常に抱えた「矛盾の人」でし…

帝国歴489年の潔癖為政者の悪辣謀略について-皇帝誘拐事件-

野心家でありながら清廉潔白で民衆に優しい独裁者ラインハルト。当然ながらそんなお題目は脚色で、彼の手は流血と陰謀で赤黒く染まっています。 宇宙歴798年。帝国とフェザーンの共同作業である皇帝誘拐事件が実行されました。同盟への開戦の理由を作るため…

第9次イゼルローン要塞攻防戦に置ける同盟と帝国の駆け引き

ロイエンタールとヤンが相対した第9次イゼルローン要塞攻防戦は、帝国のラグナロック作戦の一環として行われました。帝国はフェザーン方面への主力の侵攻をカモフラージュするため、陽動ではありますがイゼルローン方面に三万以上の大兵力を投入しました。こ…

銀河を駆ける船の速度について

現在の人類最速は人口惑星ヘリオス2の時速252,792km、秒速70.22kmです。これが千年以上未来の世界では、宇宙空間を自由に航行し、ワープを使えば数千光年の移動が可能となります。 しかしあまり詳しい数値は無く、ワープも40Cと表記されるだけで具体的な跳…

無能に見えた提督達は本当に無能だったのか

やられ役となった代表的な人物はアスターテ会戦の第四艦隊パストーレ中将、第六艦隊ムーア中将、生き延びたもののヤンの引き立て役となった第二艦隊パエッタ中将が有名です。二倍の戦力でラインハルトに完敗寸前まで追い詰められました。 では本当に無能かと…

異色の軍人アレックス・キャゼルヌ閣下の才能について

ヤン・ファミリーには個性的な軍人が数多くいます。艦隊指揮は名人、戦闘指揮は凡人のエドウィン・フィッシャー提督。昼の空戦と夜の格闘戦で名をはせた撃墜王ポプラン。若くして提督になり将器と勇気を兼ね備えたジャーナリスト志望のダスティン・アッテン…

裏方的な地味な仕事の重要性 補給と後方支援は大事です

派手な突撃よりも、目立つ逆転劇よりも、威力絶大な要塞砲よりも、目立たぬ補給や後方支援が大事だと語り続けた銀河英雄伝説。補給や後方の問題が戦局に影響を与えるという、ごく当たり前の事象を普通に描いているのも特徴といえます。 実際にラインハルトも…

銀河流暗殺の流儀

艦隊戦に白兵戦、権力闘争に権謀術数と、銀英伝には様々な戦いがあります。国家間抗争もあれば国内内戦、さらには個人的な決闘まで戦いの連続でした。 その中で弱者の戦術、もしくは貴族の嗜みとして利用されたのが暗殺。中でも作中で最も暗殺の対象となった…

呼吸する軍事博物館-老将ビュコック提督の生き方と死に様について-

アレクサンドル・ビュコック元帥は軍務歴55年越えといえば作中でも一番長く、主要キャラではメルカッツ提督をも超える戦歴を持ちます。特にメルカッツ提督が貴族出身で士官からスタートしたことを考えれば、二等兵から始まり元帥まで上り詰め、宇宙艦隊司令…

カール・グスタフ・ケンプに関する誤解

カール・グスタフ・ケンプ提督は撃墜王で名をはせ、その後は戦艦の艦長になり大佐、ラインハルト元帥府開設時に中将で艦隊提督として名を連ねます。若手が多い元帥府ではケンプは年長者ですが、30代の提督なので十分優秀で若手の将官です。ラインハルトが招…

ヤン・ウェンリーという虚構と誤解 その2

ヤン・ウェンリーが作中で誤解されていた点については過去に記載しましたが、作外、つまり読者にも勘違いされている場合があります。 ヤンが民間人を保護に尽くした点や日頃から戦争に否定的な言動から、ヤンが人道に重きをおき、人命を尊重する人物だと認識…

お金に関する銀河英雄伝説 その2

お金に関する記述が余り多くなく、そもそも帝国の帝国マルクと同盟のディナールの交換レートも不明。なので少し考えてみました。 ユリアンが駐在武官としてフェザーンに赴いた時に、現地調査として裏通りの衣料店で購入したセーターは90フェザーン・マルクで…

ジョアン・レベロ氏の生き方と死に方

自由惑星同盟の政治家で、同盟政府最後の最高評議会議長であるジョアン・レベロは、潔癖であるがゆえに晩節を不本意なかたちで過ごし暗殺された悲劇の政治家です。 財務委員長を務めた経歴からも財務・財政に強く、その視点から同盟が困窮のふちにいると知っ…

自由惑星同盟の軍需とその他について

自由惑星同盟は対帝国の戦時体制国家として百年に渡り戦争を続けてきました。そのため経済の一部は軍需によって成り立っています。 まず同盟軍5,000万の兵力の付随する必需品は膨大な量になります。また艦船数十万隻と同盟内にある70ヶ所の基地の維持にかか…

マリーンドルフ伯に対する誤解或いは見誤りについて

フランツ・フォン・マリーンドルフ伯爵といえば、物語の初期から終盤まで登場する人物である一方で、特徴といえば「温厚」「誠実」「ヒルダの父親」と、才幹で目立つことなく人畜無害な存在と作中でも言われています。 無論、この見方が間違いであるのは作中…

ペテン師とその片割れの奇術

第10次イゼルローン要塞攻略戦といえば、第7次と同様に異例ずくめの戦いでした。もしくは善良な人間がペテン師に引っ掛かり被害者となるお馴染みの構図です。 ルッツが優秀でなかったから、というのは酷です。彼は艦隊運用にしろ艦隊戦にしろ実績のある一流…

お金に関する銀河英雄伝説

銀河英雄伝説は予算や経費や給与の話題で同盟のディナールや帝国の帝国マルクが登場しますが、端々で出て来るのみで銀河の経済規模にいたっては不明な部分が多いです。 それでも探すとキーワードとしては下記があります キルヒアイスの父親は司法省務めの下…

ボルテックの失策 ‐フェザーン人なら自分の足で歩くべき‐

ボルテックといえば、フェザーンの要人で黒狐ルビンスキーの右腕だった男です。個性は強くありませんが、官僚として能力は十分優秀(そうでなければ自治領主補佐官、帝国駐在弁務官など務まりません)でした。 そのボルテックの躓きは皇帝誘拐計画の対帝国交…

疾風ウォルフの戦術について

作中で最速の用兵家として知られるウォルフガング・ミッターマイヤー提督は、艦隊を迅速に動かすことで数々の殊勲を得ました。これは戦場への艦隊移動と戦場での機動戦術の両方で発揮されています。 しかし実際にどのように運用しているかは原作では不明です…

ヤン・ウェンリーの戦略面の技能について

戦術面でほぼ無敵を誇ったヤン・ウェンリーですが、戦略眼もある人物とされる一方で戦略面での成果はほぼ無いため、「本当は大したことはない」「過剰な評価」だとの批判も受けております。 本人が口にした「半数が味方してくれればいいほうさ」の精神であれ…

自由惑星同盟という戦時体制国家

自由惑星同盟は帝国から離脱した16万人の人々の建国から始まり、帝国からの亡命者を吸収しつつ拡大しました。 民主主義国家として共和制を敷き、法的にも自由が認められる体制でしたが、ただ戦時体制を続けていた点が、共和制を歪なものにしていったようです…

疾風ウォルフ(ウォルフ・ディア・シュトルム)の激情について

疾風ウォルフ。帝国の双璧とまで言われ、平民ながら帝国元帥まで上り詰めたウォルフガング・ミッターマイヤーは、公明正大な人格者であり、帝国兵から人気高く、部下からは慕われ、上司からの信頼篤い人物です。 しかしながら激怒が死に直結するほどの感情的…

お祭りヤン・ファミリーの構成員(真面目な組)

ヤン艦隊の特色として地味に上げられるのが、絶妙な幹部の人事です。 艦隊副司令官 エドウィン・フィッシャー 首席幕僚・参謀長 ムライ 次席幕僚・副参謀長 フョードル・パトリチェフ 第13艦隊創設時から回廊の戦いまでこの布陣は変らず、ヤンを支え続けて奇…

ヤン艦隊の軌跡と奇跡

自由惑星同盟の末期、同盟側の武勲はヤン提督率いる宇宙艦隊『ヤン艦隊』が独占するものとなってました。 ヤン艦隊戦果 要塞奪取2回(第7次・第10次イゼルローン攻防戦でイゼルローン要塞奪取) 重要拠点攻略1回(ハイネセン進攻でアルテミスの首飾り破壊) …

自由惑星同盟の終落

自由惑星同盟はその名前ほど自由ではなく、滅亡するに至る過程は酷いものでした。ただこの星系間国家は常に戦時体制であったことを忘れてはいけません。建国時から常に帝国軍の侵攻に対する恐怖があり、自国を守るために膨大な戦力を維持運用する必要があり…

トリューニヒト氏の流儀「生き残った者が勝者」(死んだけど)

「喋れなくなったトリューニヒトはトリューニヒトではない。」 哲学の一節のような表現をされる、銀英伝で最も好感度の低い主要人物であるヨブ・トリューニヒト。劇中で大きな裏切り行為を繰り返しながら保身に長けていたため、物語の後半まで登場を続けまし…

ユリアン・ミンツの華麗なる戦歴

亜麻色の孺子ことユリアン・ミンツはトラバース法によりヤンの養子となり、その後は軍人の道に進み、ヤンが独立した後も付き従い、彼の死後は後継者として革命軍を率いて戦います。十分に歴史上の人物として成り立つ功績を立てる彼は、物語の前半では天才型…

はばたき過ぎた禿鷲 移動要塞ガイエスブルクとその結末について

イゼルローン要塞と並ぶ大要塞ガイエスブルク。直径45㎞の人工天体は戦艦の砲撃に耐える装甲、艦隊を屠る主砲、一万隻以上の艦船を収容できる基地能力と、申し分ない力を持ちます。門閥貴族連合が拠点とした理由も判ります。 リップシュタット戦役後は放置さ…