お金に関する銀河英雄伝説 その2

 お金に関する記述が余り多くなく、そもそも帝国の帝国マルクと同盟のディナールの交換レートも不明。なので少し考えてみました。

 ユリアン駐在武官としてフェザーンに赴いた時に、現地調査として裏通りの衣料店で購入したセーターは90フェザーン・マルクでした。
 このフェザーン・マルクが同盟のディナールと帝国の帝国マルクを橋渡しする通貨となります。同盟と帝国は国交がないため、直接の通貨の交換する仕組みがなく為替レートも存在しないはずです。

 帝国マルクを150円と想定して、フェザーン・マルクも同額だとすると90フェザーン・マルクのセータは13,500円となります。ユリアンが浪費という単語を持ち出すあたり、もう少し高い設定でしょうか。特に経済力があるフェザーンの通貨価値は高くなると考えると、1フェザーン・マルクは200円から250円。すると1帝国マルクが0.7フェザーン・マルクと0.3ディナール程度となります。

 ざっくりとフェザーンでの為替取引は下記のイメージでどうでしょう。

 しかし、ここで問題が発生します。帝国が同盟を属国した際に安全保障税として年間1兆5千帝国マルクの支払いが発生しました。これは同盟が軍事予算削減による国力の回復をさせないように課したものです。
 同盟の軍事予算は1兆8千億ディナールで、上記の帝国マルク換算だと5兆4千億帝国マルク。国力を削ぐ目的にしては少ないように感じます。

 ただ同盟軍は解体したわけでは無く維持はされているので、多額の人件費や年金は発生し続けます。また戦艦と宇宙空母を除く艦船の建造や維持、70ヶ所ある基地の維持改修は必要です。その費用は少ない金額ではないでしょう。
 なにより、戦勝国と敗戦国とではそれまでの為替のレートが変わるのはあり得る話で、フェザーン・マルクが帝国マルクに吸収されたと想定すると下記程度になっている可能性があります。

 安全保障税1兆5千帝国マルクは7千5百億ディナールとなり、軍事費の41%で国家予算3兆7千億ディナールの20%となります。これはかなりの支出です。
 国力は削ぎつつ、破綻はしない絶妙な金額ではないでしょうか。

 最もこの配慮もハイネセン動乱とその後の親征により同盟を完全征服したため意味が無くなりました。銀河統一により、通貨は帝国マルクで統一されたので経済官僚はさぞやスッキリしたことでしょう。