現在の人類最速は人工惑星ヘリオス2の時速252,792km、秒速70.22kmです。これが千年以上未来の世界では、宇宙空間を自由に航行し、ワープを使えば数千光年の移動が可能となります。
しかしあまり詳しい数値は無く、ワープも40Cと表記されるだけで具体的な跳躍距離は判りません。
そこで少ない情報から色々と推察してみます。
まずはワープですが、ヤンの第13艦隊が第7次イゼルローン攻略でハイネセンからイゼルローン回廊入口までの4,000光年を24日間で踏破しました。ヤンの中々悪くないとの感想とは別に、出来合いの艦隊でこの期間は十分早いとの評価です。
単純計算で日数では1日180光年を移動し、ワープ回数では19回で平均210光年となります。ただし長距離ワープを8回、短距離ワープを11回との記述があるので、長距離を300-400光年、短距離を100光年未満の想定してみます。
・350x8=2800光年
・100x11=1100光年
合計3,900光年で、大体この辺りがワープでの移動距離だと推察されます。
次に通常航行ですが、具体的な数値はドーリア星域会戦で第11艦隊を第13艦隊が捉えた時に、第11艦隊の移動速度を算定した数値です。この光速の約1%の数値は恒星系内での限界速度に近いとのことです。
光速の1%は秒速で約3千㎞、時速は1千80万km、地球から月なら1分40秒、火星までなら最接近時で7時間、太陽までは13時間50分です。内惑星系なら海外旅行の気分で移動できます。
またアスターテ星系の戦いではラインハルトの艦隊と正面にいた第4艦隊の距離が2,200光秒、接触想定時間は6時間でした。同じ速度で移動しているとして6時間後に接触するのは現在位置から互いの中間となる1,100光秒の距離。すると一個艦隊は光速の5%で航行が可能となります。
なおラインハルトは急進して第4艦隊と戦闘に入ったので、光速の5%以上の速度で襲い掛かったことになります。
光速の5%は秒速で約1万5千km、時速で5千4百万㎞。地球から月なら20秒、火星までなら最接近時で1時間24分、太陽までは2時間46分です。
恒星の影響が少なく、惑星や小惑星帯もない恒星系の周辺の宙域であれば、より早い速度での移動が可能となるということです。
いずれにせよ、宇宙に出た人類は慣性制御により加速と減速時のエネルギーロスが極小なため光速の数%というとんでもない速度で航行し、数百光年のワープが可能だということです。