艦隊戦が主体だけど艦隊の細かい編成が判らないので推測してみます。

 艦艇一万隻以上、要員百万人以上の一個艦隊が戦略単位となる銀英伝の世界ですが、具体的な編成となるとなかなか不明な所があります。

 一個艦隊より小さな単位だとアッテンボロー少将が率いる2,200隻の分艦隊とその対戦相手のアイヘンドルフ艦隊は戦艦200~250隻、巡航艦400~500隻、駆逐艦およそ1,000隻、宇宙母艦30~40隻でした。

 この情報を元に一個艦隊は複数の分艦隊で構成されると仮定して、艦種の比率は戦艦が1割強、巡航艦が3割弱、駆逐艦6割弱、宇宙母艦で2-3%となります。

 一個艦隊15,000なら戦艦が2,200隻、巡航艦4,000隻、駆逐艦が8,500隻、宇宙母艦300隻でしょうか。分艦隊ではなく艦隊主力の本隊なら戦艦や巡航艦の比率が高いかもしれませんが、おおよそこんな感じでしょう。

 なお作中では戦艦が自艦より小型の巡航艦に纏わりつかれて沈められたり、巡航艦が戦闘艇に撃沈されたり、駆逐艦やより小さい宙雷艇でも数をそろえれば、近接戦闘で基幹艦隊にダメージを与えられるため、攻撃力においては小型とはいえ侮れない能力があります。

 では分艦隊が複数集まって艦隊を構成しているとなるとどうなるか。

 ミッターマイヤーはラグナロック時にはビューロー、バイエルライン、ドロイゼン、ジンツァーらの5,6名の指揮官を有してます。
 またバーミリオン会戦ではライハルトの艦隊は18,860隻の艦艇とトゥルナイゼン、ブラウヒッチ、アルトリンゲン、カルナップ、グリューネマンらの提督を擁してました。
 アスターテでのライハルト艦隊は20,000隻の艦艇でメルカッツ、シュターデン、ファーレンハイトエルラッハ、フォーゲルの5人の提督がいました。

 こうしてみると帝国は2,500~3,000隻程度で一個分艦隊(ケンプ配下のアイヘンドルフ艦隊は1,700隻程度なので編成によって幅あり)、あと司令部隷下の戦力も3,000-5,000程度と想像されます。同盟は2,000~2,500程度でしょうか。つまり艦隊司令官は複数の提督を指揮下に置き、また直下の戦力として一個分隊規模を持ちながら艦隊戦を行うことになります。

 一個艦隊とは複数の戦闘単位を一元管理する最小の戦略単位であるといえます。

 なお原作主体のため、アニメ2作や漫画2作とは異なる場合がありますのでご了承下さい。

銀英伝の技術的前提条件を整理してみます。

 銀英伝の舞台は遠い未来であり、今よりも進んだ科学技術がある前提です。ただ戦乱の世の常か、それらの技術は軍事に最も投入され、その粋を集めたのが宇宙戦艦だったりします。

 では具体的に軍事に利用されているものは何かというと、まずはレーダー透過装置です。電波を発し反射により物質の存在を察知するレーダーを無効化する装置ですね。おかげで宇宙空間での索敵能力は大幅に低くなり、目視(正確には他の方法で存在の算出は可能)レベルまで落ちてしまいます。これにより射程圏内に突然敵が現れたり、逆に敵に知られる事なく照準に敵の艦影を入れることができます。また当然味方の位置も簡単に知ることができず連携が重要となります。

 次に重力制御と慣性制御。宇宙空間でも宇宙船内では地上と同じように、地に足をつけて過ごせる魔法のシステムが重力制御です。船内だけでなく船にかかる重力も制御すれば惑星地表面で浮かぶことも造作ありません。また慣性制御によりゼロからの超加速と、超高速からの急停止をいとも簡単に行えます。そうでなければとても宇宙空間を自在に機動なんてできませんし、恒星系内で光速の1%(秒速3,000㎞)で移動するのも無理です。

 また有効射程距離が十数光秒という高火力火器であるビーム兵器とそれを防ぐエネルギー中和磁場=シールドの存在により、陣形を組んでの火力応酬が戦場の基本戦術となってます。両者を矛と盾とすると矛の方が優位で、艦の前面なら耐えるシールドも艦の側面積をカバーすることが出来ずに突破されます。

 何より忘れてはならないのが40cの空間跳躍が可能なワープ装置です。これにより人類は銀河へ広がり生存圏を拡大、最盛期は3,000億の人口を数えるほどになりましたから。

 あと核融合炉もそうですね。上に書かれたシステムに必要なエネルギーを捻出するには高効率なエネルギー源が必要不可欠です。

 そんなこんなを集めてできた宇宙戦艦。作中では具体的な費用の記載はなく何ディナールか何帝国マルクかは判りませんが、一隻製造するのに大変なコストがかかってそうです。

 あと意外と地味に凄いのが1万隻を超える艦船を管理・運用する仕組みです。部隊編成は細かいところまで不明ですが、管理システムには艦隊の全艦船全要員の情報が収められているのでしょうから、艦隊旗艦級の戦艦は情報システム関連も桁違いのコストがかかっていそうです。なおミュラーが旗艦を四度も替えて戦い続けた逸話がありますが、同じ戦艦クラスであっても司令部能力(システムの処理能力)に差があったとすれば、ヤンの攻勢を防ぎきれなかった原因の一つだったかもしれません。

 他にも惑星間どころか恒星間の通信が可能な超光速通信やイゼルローン要塞やガイエスブルク要塞のような超巨大建造物を造る技術に、出力が想像もつかない巨大な核融合炉、ガンを克服して手術一回で簡単に接続できる義手があるなど未来過ぎる世界です。

 まあこんなに科学技術が発展しても帝国と同盟に分かれて戦争が繰り返されているのと、帝国の政策の結果で遺伝子技術やクローン技術が発展せず封印すらされている感があるので、ルドルフの影響もしくは呪いが技術面でもあるのが銀英伝の特徴ですね。

ヤン・ウェンリーという虚構と誤解

 自由惑星同盟将官不敗の魔術師として名をはせ、同盟滅亡後は共和制の守護者として戦い続け、最後は反動勢力の暗殺によりその生涯を終えたヤン・ウェンリー

 こうして紹介すると大変優れた人物との印象を受ける彼ですが、虚構を排した人物伝がもし刊行されれば、大勢の人を失望させること間違いありません。

 基本的に怠け者で勤勉という言葉をポケットに持ち合わせていなかったヤンは、家では寝転び一日を過し、仕事場である旗艦の艦橋では指揮卓の上に座るという、見栄えの悪さで同盟随一でした。有給休暇は全て消化して国家的式典は極力さぼろうとする上に、式典のスピーチは2秒で終えるので人物伝の筆者が頭を抱えること間違いありません。

 また自分の武勲(業績)に興味無く、授与された勲章(栄誉)をさっさと引き出しに放り込み、政軍財のどことも関係(人脈)を広げようとしない態度は、社会人としてかなりの問題ある行動です。そもそも職業軍人である以上は軍隊という道具と戦争という手段に価値を持つはずなのに、彼は全く価値を感じないどころか志願する人の精神を疑うほどです。

 なお一部の人にのみ知られている「敵の戦艦一隻が年金幾らになるか」「信念のために戦争するより、金のために戦争するほうがまし」などは彼を崇拝する人々には無視されてしかるべき暴言です。

 そんな人物が民主主義を本当に価値あるものと信じてそのために命がけで戦う。この一点により、「共和制の守護者」として英雄となり伝説になったのです。つまり勝手に作られた虚構と勝手に思われた誤解の上に世間のイメージが成り立っている男、それがヤン・ウェンリーなのです。

 権力欲も金銭欲も出世欲も無くて栄誉も名声も興味を持たない、実際は単にそれらを保持するのが面倒くさいだけという性格で、それでも与えられた役割は渋々やって最大限以上の成果を出す。こんなキャラクターは縮小再生産された亜流ならいますが、ここまで徹底されたのはヤン・ウェンリーのみでしょう。

 当時はヤンを理想の夫と呼んだ女性ファンもいたそうですが、今ならどうでしょうか。あ、でも妻のすることに文句を付けない稼ぎのいい男としては。うーん、それは夫ではなくATMというのでやっぱり洗い物と買い物ぐらいはしなきゃダメかもしれません。

ワルター・フォン・シェーンコップの紳士的野蛮性について

 登場人物の中でも戦場でも後方でも特筆すべき勇者ぶりを発揮したのがワルター・フォン・シェーンコップ氏。

 戦場では指揮官としても装甲服をまとった戦士としても一流で、司令部では独特のポジションで毒舌を披露して、後方では相手に困らずの無敵ぶり。一部から非難とやっかみを浴びつつも平然と自分のペースを崩しません。普段はあくまで紳士的、しかし猛獣の眼光で相手を圧して、発言は穏当ではなく常に危険な言葉を平気で口にします。

 

「もし私が裏切ったらどうします」

「こいつは戦闘と呼べるものではありませんな、閣下。一方的な虐殺だ」

自由惑星同盟の自由はどちら(思想と言論)に由来するのですかな」

「さあ、命令しなさい。そうすればあなたは三つのものを手に入れる」

 

 四つ目は最後の一線を大股で超えており、衆人環視で禁断の果実をもぎ取っちゃいました。ヤンがそれを食べなかったのが奇跡なぐらい、甘美な果実でしたから。

 一度一線を越えた男には怖いものなく、同盟から離反する際にも生き生きと不正規活動を行い、反乱組織でも地位を確保します。同盟や帝国という巨大組織の枠組みよりも、群雄割拠の時代が似合うタイプです。

 日常でも常に余裕を持ち、慌てるとか窮する姿は絶対に見せません。アッテンボローからの理不尽なクレームも「俺としては、何も悪いことをできなかったような甲斐性なしに、30歳になってもらいたくないね」と軽くあしらいます。隠し子が見つかっても「あいつはいい子だ、1ディナールも養育費が掛からなかったから」と良識家から一斉に非難されそうな物言いです。

 もっともヤンが披露する魔法には流石のシェーンコップも驚きの表情を浮かべますが、彼がヤンに従う理由の一つかもしれません。イゼルローン要塞攻略時やラグナロック作戦を破る唯一の方法を聞かされた時などですね。

 

 軍隊の枠の中だからこそ紳士的に振るまえるという危ない男シェーンコップですが、娘との絡みでさらに幅を見せました。緊張するカリンに「子供を産むのは、20歳をすぎてからにしてくれ」といってユリアン共々赤面させたり、「ものわかりの悪い父親になって、娘の結婚をじゃまするという楽しみができたからな」と軽く悪ぶってみたり。そんな彼もまるで先の発言が死亡フラグのように壮絶な最後を迎えました。

 数々の名言があるシェーンコップ。もし自身に自信があるのなら真似してみてはいかがでしょうか。敵を作り過ぎぬよう、ほどほどにとなりますが。

 なお私が選ぶ最高に彼らしい表現は「エキジビジョン・ゲームは二流俳優にまかせて、名優は皇帝陛下御前興行に出演するさ」です。

正しい銀河の治め方

 この時代にはゴールデンバウム王朝銀河帝国、自由惑星同盟フェザーン自治領、そしてローエングラム王朝銀河帝国の四つの政体があり、うち三つは最後の一つに滅ぼされました。

 ゴールデンバウム王朝は専制国家で貴族という階級が優位な国。自由惑星同盟は惑星や星系の連合体で、選挙で選ばれた各星系の議員からなる同盟議会(立法府)とその議員から選出された最高評議会(行政府)で構成されている国家。そしてフェザーンは帝国領内の自治領として一惑星でありながら第三勢力として存在するほぼ独立した国家。

 この三国体制が百年以上続いた後に登場したローエングラム王朝は皇帝が何者にも囚われずに全ての既存勢力を粉砕して誕生したため、最も活力の満ちた国になりました。

 

 ローエングラム王朝の特色として、幹部に既存勢力を背景とした人材が少ないことにあります。ラインハルトが元から既存勢力の粉砕を目標にしていたので、当然といえば当然ですが。国務尚書のマリーンドルフ伯は名門ですが門閥貴族の中では非主流。貴族なのにその証であるフォンの称号を外した民政尚書ブラッケや財務尚書リヒター。軍務尚書オーベルシュタインはフォンの称号を持ってますが、既存勢力との関係が浅くイゼルローン要塞失陥時は責任を取らされそうになりました。

 また同王朝は財政面で門閥貴族の資産やフェザーンの経済を吸収したので、新興国家が陥る資本不足による財政難から無縁でした。この財政面での新王朝の余裕が、逆にいかにそれまで不公平な体制であったかと証明してます。もっとも自由惑星同盟を併呑して銀河(人類の版図)を手に入れた後の統治コストがどうなるか。特に敵対勢力の居なくなった軍を縮小できるかがポイントになるでしょう。

 もし黒狐がもっと長生きしていれば、このあたりで暗躍できたでしょうが。

 

 このようにラインハルトにとって有利な条件(スタートは問題だらけ)で政権を手に入れましたが、もしラインハルトとヤンが逆の生まれだったらどうでしょう。

 どう考えてもラインハルトが合法的な選挙か非合法のクーデターで同盟を手に入れる未来図しかありません。あとヤンは帝国の単なる小役人で終わる可能性が大です。

 

 もう一つの可能性なら、「ラインハルトとヤンがフェザーンに生れ、学校で出会った二人がコンビを組み銀河を手に入れる」ですね。ラグラン・グループのパルムグレンをラインハルトが、チャオをヤンが受けもってフェザーンを手に入れる。その後にフランクールとタウンゼントは二人がそれぞれ適宜担当して、新銀河連邦を建設することでしょう。 

 最終章はさっさと引退して年金もらいながら故郷で歴史教師になったヤンのもとに、憲兵隊が現れるところでしょうか。その前にラインハルトが早死にしている条件ですが。

 何れにせよ歴史は繰り返す、で最後締められて物語が終わりそうです。

名将メルカッツは堅実で間違いない戦をしますのでお手本にしましょう。

 ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ提督はゴールデンバウム朝銀河帝国の末期に、名将として名をはせた人物ですね。適切な艦隊運用と的確な攻撃、臨機応変に戦術を駆使しても定石を崩さずに勝利してます。

 アスターテでは第六艦隊への先制攻撃で的確な砲撃を行い危なげなく勝利、リップシュタット戦役でも自身の管制がきいたシャンタウ星域ではロイエンタールを撤退に追い込んでいます。ガイエスブルク要塞宙域での戦いでも、優位に立ったラインハルト陣営の艦隊を小型艦艇を用いた戦法で損害を与えてます。
 これは主力の戦艦や巡航艦群がブラウンシュヴァイク公と共に出撃してしまい、残存兵力が直属の少数の兵力と豊富な小型艦艇群しか残っていなかったための戦法です。もしメルカッツ提督の手元に一、二個の艦隊でもあれば、損害は桁違いになっていたでしょうから。

 この後も第九次イゼルローン攻防戦や回廊の戦い、第十一次イゼルローン攻防戦、シヴァ星域会戦でも的確な艦隊指揮でヤンやユリアンを支え続けました。

 特に回廊の戦いではファーレンハイト艦隊やシュタインメッツ艦隊に大損害を与えており、結果二提督が戦死しています。この時、メルカッツ提督は分艦隊としてヤンの指揮下にあっても、アッテンボローやマリノがヤンの管制下で戦うのに対してヤン本隊と連携して敵にあたっていました。ヤンが全ての線戦を個々に細かく見るのは不可能である以上、このメルカッツの安定感はヤン艦隊にとって貴重なものだったと思います。

 なお作中では地味だったのはヤンの傍らにいたバーミリオン星域会戦の時です。銀河帝国正統政府にいたメルカッツは、バーミリオン会戦前にハイネセンに戻ったヤン艦隊と合流しました。でも麾下の戦力はたった六名で艦艇も無いため、司令部でヤンの補佐をすることになります。
 分艦隊指揮官には元々アッテンボローとマリノがいますし、また第14艦隊のモートン提督と第15艦隊のカールセン提督は一個艦隊の司令官でした。これだけそろっていると、一万六千隻の戦力では特に指揮する艦船はありませんでした。

 だからこそ、もしメルカッツが分艦隊を指揮していたら、と想像してしまいます。

 ミュラー参戦前、いや参戦後でも帝国主力包囲後の苛烈な砲撃戦をもっと早くに制して、同盟軍の艦隊が帝国軍の本営に肉薄していたのでは、と考えなくもありません。

 もちろん既に編成を済ませた部隊の指揮官を、急に変えるなど利よりも害が大きいのでありえませんが。

 いずれにせよ後世でも教科書に載り、艦隊戦のお手本となったメルカッツ提督。ビュコック提督を含め、彼のような老練な人物の活躍する場があることも銀英伝も魅力だと思います。

イゼルローン要塞攻略について(解決編)

 難攻不落の要塞をフライングボールのように敵味方の間を簡単に移動させた男を抜きにすると、イゼルローン要塞は基本難攻不落です。作中、力技では同盟が六回失敗、帝国が一回失敗、成功は同盟が悪知恵で二回、帝国が退去後の奪還二回(一回はイゼルローン共和国からの引き渡し)です。

 

 では最もイゼルローン要塞にダメージを与えた第八次の要塞対要塞は、どうすれば陥落したのか。ぶつけてドカンは既に出ているので、他を考えるとなるとそれまでの攻略方法を参考にするしかないです。

 まず守備側艦隊に肉薄しての並行前進は敵が自分の味方もろとも撃つ危険性がありますが、味方の要塞で牽制させれば活路があります。

 実際、ガイエスブルク要塞からの砲撃を陽動として揚陸艦を送り込んだり、死角から回り込んだ艦隊を肉薄させる手も、結果としては失敗しましたが有効でした。なので基本は要塞が囮、艦隊が主として動くしかないとの考えです。

 後はヤンが指摘したように要塞を占領するのではなく、破壊を目的とするなら第六次のミサイル攻撃をより大規模に行う方法もあります。要員を最小限にして要塞砲を打ち続ける方法もあります。先に破壊されるのはガイエスブルクでしょうが、イゼルローン要塞が機能不全に陥るまで要塞砲を打ち込めれば、その後の艦隊による攻略も容易になります。

  つまりロイエンタール艦隊とミッターマイヤー艦隊が到着すれば、ヤンが帰還しても落とせる可能性があったという事です。実際は先に要塞と艦隊の九割が消滅しての撤退でしたが。

 

 なお艦隊のみでの攻略は、第五次や第六次のように策が無いと厳しく、用いても失敗時の損害が大きいです。また艦隊を要塞内に収容・修理できる守備側と損害をうければ撤退するしかない攻撃側では差があります。

でも第九次の攻防でロイエンタールは三万越えの艦隊でイゼルローン要塞に対して攻勢を保ち続けました。これは守備側のヤンが艦隊の温存を目論んだからでもありますし、ロイエンタールがヤンは離脱を考えていると読んだ上で、主導権を握り続けた結果です。

 

 それでも力押しではおちませんでしたが。

 

 結局、謀略で要塞司令官を不在にさせたり、フェザーン回廊を通過して戦略価値を減らす方法を使わないと無理との結論ですね。

そう考えるとラインハルトとヤンは異常だったとの結論しか出ませんが。