要塞対要塞は大艦巨砲主義の極致

 第八次イゼルローン要塞攻略戦は帝国側の奪還戦として始まりました。
ガイエスブルク要塞を用いての要塞による要塞攻略という手法で、帝国軍は艦隊拠点としてと共に、最大の攻撃力としても活用します。それが要塞砲「ガイエスハーケン」です。イゼルローン要塞の「トゥールハンマー」には劣るものの、万単位の艦隊の砲撃でも揺るがないイゼルローンの四重複合装甲をあっさりと突破して内部を破壊する威力です。なので、ケンプ大将がこの要塞砲と艦隊を駆使してイゼルローンを攻略しようとしたのは正しいのです。

 初回の少数の陸戦兵による内部侵入や続いての砲撃を目くらましとした艦隊接近攻撃など、要塞を有効に使い先手を取ってますので、戦法としても正しかったと言えます。

 

 ケンプ大将の失敗は、膠着状態に陥りそうな時に増援を求めなかった事で、同盟の増援を事前に把握した際に既存戦力だけで対応しようとして失敗したのは結果論でしかないでしょう。要塞への兵力増強を妨害する行動はあたりまえですし、数が少ない増援を先に叩くのは理に適ってます。成功すれば時間を掛けてイゼルローンを攻略するのが可能となりますので。

 イゼルローン攻略が成功すれば、今度はガイエスブルクを同盟領侵攻に使い無双していたかもしれません。まあヤンが碌でもない攻略法を考えつくかもしれませんが。

 

 いずれにせよ要塞対要塞は同盟側イゼルローンの勝利でガイエスブルクは盛大に爆発して宇宙の塵になります。でも艦隊巻き込んで消滅するなんてどんなサイズの融合炉だったのでしょうか。確かにイゼルローンにぶつければ一発ですよね。

 

 そんな事を出来るのはラインハルトかヤンぐらいですが。

 

 思いつく者はいても実行できるかどうかはありますが、ヤンは実際にアルテミスの首飾りで証明済みで、ラインハルトは決定できる立場でヒルダに明言しております。両者とも考えつき、実行できるとするのが妥当でしょう。

 

 そういえばOVA版でファーレンハイト提督の旗艦アースグリムが大口径砲を使用しました。一度消えた大艦巨砲主義を復活させてみた例かもしれません。もっともこれ一回きりでその後の同型艦で使用した形跡も無いとなると、有効性は乏しい兵器だったということでしょうか。(アースグリム自体は使用した会戦で撃沈されてます。)