アスターテ会戦の勝利

 原作第一巻でラインハルトがヤンを認識する(他のコンテンツではそれ以前から)アスターテ会戦は同盟が帝国の侵攻を防いだので戦略的勝利。但し当初の作戦は失敗、犠牲も多すぎて戦術的敗北という結果。

 もっとも損害が大きすぎて同盟は全面敗北の様相で、逆に撤退した帝国は大勝利で司令官は出世との流れ。

 この一見すると、でも実際は感が好きですね。逆なら同盟はアスターテ星系を占領されて式典どころではないですし、帝国はラインハルトの昇進はお預けでしょうし。

 なので第7次イゼルローン攻略は無かったので、実はアスターテ会戦がそれ以降の流れを作る要因になったと、そして主役達の顔見世としてもラインハルトとヤンの性格、置かれている状況、能力を纏めて表現されている場面でもあったと思います。

 ラインハルトは常に積極策。包囲が完成する前に各個撃破、それも相手が過去の作戦を引用していると見抜いての作戦行動で、洞察力に優れている。

 一方のヤンは事前に敵の行動を予測、それは分析力によるものでラインハルトが司令官と知り過去の戦歴から積極策を取ると判断した。

 

 あと見過ごされがちなのが、ヤンの戦術眼ですね。第2艦隊が帝国の中央突破を逆手にとって逆行から後背展開する作戦で、どのタイミングで前進するか極めて難しい判断をヤンは行っており、たぐいまれな戦場勘を持っています。

 後の戦いでもヤンはその力を発揮しており、常に準備して策を巡らすタイプのようでいて、前線指揮官としてもラインハルトと対等であると示していますね。もちろんヤンの作戦をいち早く見抜いたラインハルトも優秀であるとの記述もあります。

 

 銀英伝のエッセンスを盛り込み、作品のニュアンスを表現している点でも大事な戦いですね。