門閥貴族は凄かった。

 皇帝崩御からリヒテンラーデ=ローエングラム体制の構築と貴族勢力の反発からの帝国内乱は在庫一掃したいラインハルトにとって理想的な流れでしたが、では確実に勝てるかというと当然そうではない。

 ラインハルトは自信満々でしたが。

 

 総兵力2,560万人で艦艇15万隻って大兵力ですよ。ラインハルトは宇宙艦隊司令長官の座を手に入れ、18個艦隊を配下に置くものの、何割かは貴族側についたので兵力は拮抗しているはず。おまけに各要塞は貴族側の支配下になり、戦いの長期化が避けられない。

 ラインハルトは帝都を空にするぐらい余裕で出撃しましたが。

 

 参加した貴族が3,470名となれば当然、支配領域も広大で軍資金も莫大なものになり、年単位で軍事行動が可能。反対に帝国側は税収が減るので長期化すれば増税などで帝国民の反発が予想されますね。

 ラインハルトは早々に勝利する前提なので財政は問題にしませんでしたが。

 

 敵に軍事専門家は複数いて、特にメルカッツはブラウンシュヴァイク公爵自ら勧誘するほど名将として知られ、ラインハルト陣営が最も警戒するぐらいの有能な提督。戦略も戦術も水準が高く、大兵力も複数戦力も統括できるうえに、前線指揮能力も高いという面白味さえあればもっと早く上級大将に、そして元帥もありえたぐらい。

 ラインハルトはどうせ自由に指揮できないと高を括ってましたが。

 

 こうしてみるとラインハルトの勝利の要因って、門閥貴族のアレさぐらいしかないですよね。対等な兵力、豊富な軍資金、複数の拠点、有能な司令官。これが揃って勝てないのならもう滅ぶしかないですからね。

 ラインハルトはそれを見越して戦略立案するという、天才以外許されない行いをしましたが。

 

 Q リップシュタット戦役においてリッテンハイム=ローエングラム側が勝利した理由を述べよ。

 A あいつらアホだったから。

 

 うーん、士官学校の試験ならこんな回答したら留年ですよね。あ、ローエングラム王朝なら教師は苦笑いしながらも、部分点くれるかも。

 

 理由が無い勝利はあっても、理由が無い敗北は無い。そんな格言が身に染みる門閥貴族の終焉であったのですが、途中々々で経験豊富なメルカッツ提督が、その確定した未来を思い、ただ一人苦悩する姿が印象的なリップシュタット戦役でした。